商売としての経営学研究者

経営学の研究者を商売にするということにまつわるあれこれを考えてみる場です。

先達に学ぶ:Bartunek (2007)_2

皆様こんばんは。

前回「次回に続く」と書きながら、かれこれ65日が経過しております、、

 

academic-dokusho-memo.hatenablog.com

 

さて、前回の続きです。といっても執筆者自身もうろ覚えですが笑、いつもながら”研究と実務のギャップ”に関連した論文の紹介だったと思います。

the strength of our logic and our data

we find gaps of some kind, convince others of their importance, and then attempt to fill them in our work

 まず、ロジックとデータがアカデミックの強みであります。そして我々研究者は何らかの「ギャップ」を見つけ、その重要性を説得的に語り、そしてそれを埋めることに取り組みます。

 

Bartunek先生はここでアリストテレス

ロゴス、エトス、パトス

の議論を引用し、特に感情に訴える (tap emotoins) 必要性について述べています。 

 

テキスト、ビジネス書、ラジオ・テレビ、そしてブログなどのメディアが挙げられています。

 

practitioners' knowledge often complements that of academics

ビジネスの実践者の知見は、往々にして研究者のビジネスについての知見を補うものであります。

それで共同研究をするわけですが、研究者と実践者の間には研究についての理解に大きな隔たりがあります。研究者はいちおう(失礼)研究のトレーニングを積んできたプロですから。そのため、共同研究といっても、両者の貢献はイコールではないのは当たり前です。

sense of mutuality

trying to enter into and understand practitioners' worlds and modes of knowing

 "sense of mutuality"とはよい表現ですね。要するに一方向のアンバランスな関係ではあかんということです。

研究者も実践者(実務家よりこっちの表現の方が執筆者は好きです)が見ている世界やその考え方を理解しようと努める、歩み寄る必要があります。

 

require the efforts of boundary spanners, people

1) who do not identify themselves fully with either the academic or practitioner community

and

2) who have the courage and the interest to treat both groups as of value and as having something to contribute to the other

// crossing

おそらくこの部分がBartunek論文のポイントかと思われます。

横串を刺せる人、あるいは境界を渡り歩くような人が必要だと。その条件としては2つあるそうです。研究者でもあり実践者でもあると自認している人、そしてどちらのグループにも互いに提供できる価値があるのだというスタンスで接する勇気と興味を持った人ですね。

"scholar practitioners"とBartunek先生は呼んでいるようです。

こういう人たちは

who consciously move back and forth between academia and practice

 意識的に両者を行き来しています。例えばMITのSchein先生を挙げています。

 

そして研究者と実践者が議論をする”フォーラム”が必要だということです。"explore together"という表現も執筆者的にぐっときました。

 

cross bar......being broad and secure enough to carry many people regularly going back and forth between research and practice

 研究と実践の間を、多くの人が日常的に行き来できるような、十分に広く安全なクロスバー(橋かな)ができたらいいなーという結びでした。

 

まあ要するに対話の場を設けるということでしょうか。すごく雑なまとめで恐縮ですが笑

ただやはり研究と実践のどちらにもそれなりに詳しい人、というのはなかなか稀少かと思います。執筆者はそんな存在になるべく、いろいろ画策中でございます。

 

あと1分ぐらいで30分です。

研究と実践の交流を促す「窓口」「案内人」「目利き」のような立ち位置でがんばりたいと思います。

いつもながらまとまりのない論文紹介でしたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

また同じようなテーマのものを見繕って、このブログという場でご紹介したいと思います。

 

それではまた近いうちに(たぶん、、)