商売としての経営学研究者

経営学の研究者を商売にするということにまつわるあれこれを考えてみる場です。

商売としての経営学研究者 (Day4)

ちょっと別の場所にメモを書いたのですが、あまりまとまりきらなかったので、ここで書きながら自身の思考を整理したいと思います。

 

まず、経営学研究者は"Platform individual"になれるのではないか、ということです。

なんじゃそら?という声にお応えして、ご説明を。

執筆者は今を時めく(古文では時流に乗って栄えるという意味。脱線)プラットフォーム企業companyについて研究しております。そのビジネスモデルは、すごく簡単に言えば、複数のサイド(グループ)を結びつけることで価値を生み出すということです。

そのindividual、つまり個人バージョンです。(別に個人事業主でもよいので、その場合は株式会社なんとか、になるかもしれませんが。ちなみに執筆者は「博士事務所」という構想を以前から持ってまして、アカデミックなプロフェッショナル・ファームという趣です)

 

では、経営学研究者(特に執筆者の場合)は、何と何を結びつけるのか?

まず、クライアントは企業(官でも)か個人です。

・企業

特に、中小企業(論文ではSMEs=small and medium-sized enterpriseと呼ばれる)、町工場、スタートアップなどに需要があるのでは。

すなわち、大手のコンサルに頼むのは高い。それに対して執筆者のような研究者の卵であれば割安でできる気がします。(価格だけではない。検討要)

・個人

特に、フリーランスself-employed、医師、創業者、などをイメージしています。

以上の人たちにとっての、パーソナルトレーナー(カウンセラー)のような位置づけ。

 

で、もう一方のサイドには以下を想定しています。(仮説)

1.アカデミックな人材

紹介、アクセス

例:博士はもちろん、医師(自分の周りに多い)、会計士、弁護士などの士業、官僚、起業家、投資家(VC、インターン先)

2.アカデミックな知識=論文

研究者は当たり前のように論文を日々読んでいますが、そこに価値ある知見があることは周知でありつつも、いきなり訓練を受けていない人がアタックするのはコストがかかりすぎる。経営学研究者を通した方が、スムーズ、楽チン=プラットフォームの存在価値

東大経済の渡辺教授は、ナウキャストという会社の創業メンバーであり、技術顧問technical advisor(かっこいい)でもあります。

以上の2つがクライアントへの提供価値になるのでは。

 

イメージは「共同研究契約」なので、それぞれの中身を詰めて、パッケージにまとめられれば、提案しやすくなるのではと思います。

以前のブログに書いた気がしますが、経営学研究者の1つの役割として、検査・診断があります。これですね。

 

あくまでも対話のパートナーであり、相互作用interactionを通して、お互いに答えを探すことが、理想の関わり方(関係性)なのではないかと僕は思っています。つまりは「検査」や「診断」が主な役割かなということです。(あくまでも仮説です。今後、検証していきたいと思っています。パートナーの方募集中)

商売としての経営学研究者 (Day2) - アカデミックな読書メモ

 

この診断は研究者が一方的にするのではなく、互いにコミュニケーションを行うことで、互いに行うということです。(2015年のフィードバックについてのある論文では、mutually exploreという表現が用いられていました)

 

あとは、価格設定です。報酬、お返しをどのような形式にするか。

お金が普通ですが、ご飯をおごってもらうというのもあるかもですね。

あとは、情報や機会を対価として提供してもらう、ということです。

例えば、肩もみ券、小切手のイメージで、権利証書を発行する。内容は、1時間の相談、おもしろい人(friends of friendsと言ったりします)の紹介、おすすめ(例:本、アニメ、Web記事)などなど。

明文化してみてはどうかと。もちろん、贈与というか、見返りを期待しないgiveは、「いつか」返ってくる、循環すると思います。一方で、このリターンの時間差、つまり「いつか」っていつやねん?と思ったりもします。その点、証書があると分かりやすい。

こんなことを考えていると、地域(コミュニティ)通貨なるものがそう言えばあったなと思いだして、知人から聞いたカヤックさんの事例に到りました。(地域通貨&カヤックで検索)

給料の一部を使途を限定された通貨をイメージされているらしく、例えばつながりを促すような使い方が挙げられていました。そして、その使途をテクノロジーで可視化するらしいです。

この使途をより限定すれば、不特定多数が使える通貨ではなく、特定の人との間(身内)でのみ使えるということでしょうか。地域というのも、地理的に限定された場所を指すので、その中(例:商店街)でのみ使える、という限定がされています。

 

あまりまとまっていないもので恐縮です。ご意見いただければ。

 

自分自身の関心として、コミュニティをテクノロジーでサポートする(英語ばっかり。。)みたいなこともあるので、その辺も含めて試行錯誤、実験、実践を続けられればと思います。

 

小切手帳みたいなのを各自が持っていて、その額面にあたる部分に、いくつかのデフォルトの選択肢が書かれており、それにオリジナルを追加できる。それがオンラインとオフライン(リアル)の証書の組み合わせがデザインとしては面白そうなポイントです。

書いていて、なんとなく「限定」というのがキーワードになりそうな気がしました。

 

急に暑くなってきた京都下鴨の地より。

つづく↓

 

academic-dokusho-memo.hatenablog.com